一人親方の所得と税務調査について

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一人親方の所得と税務調査について


事業所得と給与所得の違い

一人親方って、事業所得と給与所得、一体どっちに該当するのか?

いまいちよく分からない。

という方のために、当ページでは、事業所得と給与所得について、それぞれ解説しています。

事業所得に該当する場合は、税務署による税務調査に気をつけなければいけません。

一人親方に対する税務調査が増えてきていますので、それについても解説していきます。

事業所得って?

一人親方は自分一人か親族等のみで事業を営みますので、その所得は基本的に「事業所得」にあたります。

後述する「給与所得」にはなりませんので注意しましょう。

事業所得とは、自営業等の事業を営んでいる人が、その事業によって得た所得を指します。

ごく簡単に言うと、(売り上げ-経費)=所得になります。

人に雇われているわけではなく、自分で取ってきた仕事から売り上げをあげている場合は、事業所得者になります。

建設工事など「請負契約」に基づく業務の遂行によって得た対価は「事業所得」となり、個人であれば、確定申告をしなければなりません。

税務署に個人事業主として開業届出を提出し、確定申告時に所得税等を納めることになります。

給与所得って?

これに対して、雇用契約に基づく場合は「給与所得」に該当します。

会社に雇用されている場合、従業員であれば雇用契約となり、事業主が従業員に代わって給与から源泉徴収して税金を納めたり、社会保険料を支払います。

この場合は確定申告をする必要はありません。

一人親方への国税庁の税務調査

さて、ここからが本題です。

近年、建設業者の社会保険未加入者への指導が厳しくなってきています。

建設業許可の取り消し等の処分を避けるため、社会保険に加入はしたものの、社会保険料の支払い能力がない会社が出てきました。

そこで、従業員を「一人親方」として独立させ、会社との間では請負契約にする等の事例が発生しています。そうなれば、雇用関係は無くなりますから、社会保険料の負担は減りますので。

ただ、これでは、形式的に請負契約を結んでいるだけですから、実質上は認められない可能性がでてきます。

請負契約書を作成すれば良いという訳にはいかないのです。

形式的な請負契約では、一人親方として認められません。

形式的には「請負契約」であるが、実態は労働者性が強く「雇用契約」であると判断された場合は、「給与所得」として会社側が税金等を納める義務が発生します。

会社側からすると、一人親方に対して「外注費」として処理していたものが「給与」の支払いとなり、源泉所得税の徴収漏れが指摘され、延滞税が課せられるおそれもあります。

延滞税は、納期限を基準に計算されますので、期限を超えれば税率が高くなります。

国税庁では、一人親方等の個人事業主を対象にした税務調査が実施されています。

調査の結果、雇用契約であると判断された場合は、本来雇用主の立場である会社側が税金を納めなければならす、過去5年に遡って源泉徴収される可能性もあります。

税務調査の対象者の例

  • 大工、左官、とび職
  • 窯業・土石製品製造従事者
  • 板金従事者
  • 屋根ふき従事者
  • 植木職・造園師
  • 畳職
  • 製図工、写図工、原図工等の技能労働者
  • 上記に類する者

事業主と認められるための形式的な基準

一人親方が事業者として反復・継続・独立して事業を営んでおり、

  • 国民健康保険、国民年金に加入している
  • 税務署に開業届を出し、確定申告も行っている
  • 適切な請負契約書を作成している
  • 請け負った仕事を他人から指示されずに自らの責任で完成させることができる

であることが、形式的な基準となります。

<雇用契約か請負契約かの判断基準>

「雇用契約」なのか「請負契約」なのか明らかでない場合は、形式的な要件と実態的な要件い基づき、総合的に勘案して税務署が判断します。

  • 一人親方が受注した仕事を何らかの事情で作業できない場合、自己の責任で代わりの人を手配してサービスを提供することが可能か?→可能であれば「請負契約」
  • 発注者(報酬の支払者)から作業時間が指定されていたり、報酬が時間を単位として計算されるなどの時間的な拘束を受けるか?→拘束を受ける場合は「雇用契約」
  • 発注元から作業の具体的な内容や方法について指揮監督・命令を受けるか?→指揮監督を受ける場合は「雇用契約」
  • まだ引渡しをしていない完成品が不可抗力等により滅失した場合、既に遂行した分の報酬を請求できるか?→請求できる場合は「雇用契約」
  • 材料や用具等を発注者(報酬の支払者)から供与されるか?→供与される場合は「雇用契約」

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