建設業は国や自治体から受注する公共事業が多いイメージが強く、安定した経営状況を維持しやすい業種と思われがちです。
もう今は影を潜めましたが、「建築成金」と呼ばれるような人物が多かったこともそんなイメージに拍車をかけています。
しかし実際にはそうした状況で経営できている建設業者はごく一部。
大半は厳しい経営状況。自転車操業です。
日本の建設業は下請けや孫請けで成り立っている面が強く、工事の下請けを担当する業者さんは、資金繰りに苦しめられているのです。
もともと建設業は資金繰りが難しい業種と呼ばれます。
なぜでしょうか?
まずは利益率が非常に低いということが挙げられます。
企業規模によって異なりますが、中小規模の建設業者では平均して3%程度と言われています。
財務省の法人企業統計によると、平成26年度では、建設業界の売上高営業利益率が3.2%、売上高経常利益率が3.7%です。
中小業者さんですと1%台まで下降してしまうケースもあるようです。
IT関連企業の中には20%を超える利益率を確保しているケースもあると言いますから、比較するとかなり低い数字といえます。
一般的には10%前後が理想とされていることからもそれが窺えます。
また、建設業は先に支出を行い、工事を完了した後に代金を受け取る形となっています。
そのため最初に部品など外注が必要なものの確保、従業員の賃金といった支出を自らの資金力で行う必要があるのです。
しかも下請け会社の場合、力関係の影響から相手の企業の一方的な都合で工事費を割り引きさせられたり、期限どおりに代金を支払ってもらえなかったりといった問題も起こりがちです。
建設業界には古くからの商慣習もあり、建設業法よりも商慣習の方が優先される傾向も見られます。
たとえば「受注の際に契約書を作成しない」ことが挙げれます。
長年付き合いのある取引先からの下請けの場合に多く、後になって追加工事を要求されたり、先述のように代金の支払いを先延ばしにされるケースも少なくありません。
こうした明らかに問題があるケースだけでなく、もともと建設業界は工事から請負代金を回収するまでのスパンが長くなる特徴があります。
その間、持ちこたえる体力(資金力)が必要となるわけです。
こうしてみても建設業は一歩間違えば綱渡りの状況で経営を続けなければならないことがわかります。
必ずしも、仕事がたくさんあればよいというわけでもありません。
受注とその際に必要になる出費、そして代金回収までの期間といった面を慎重に考慮したうえで経営状況を確認しておく必要があるのです。
この資金繰りに関しては独自に資金繰り表などを作成して慎重に管理しておくこと、あるいは国土交通省による「地域建設業経営強化融資制度」に代表されるような、国や自治体が有利な条件で行っている建設業向けの融資制度を活用するといった工夫が求められます。
資金繰り、資金調達に精通した税理士に、資金調達の代行をお願いしてもらうのも一つの方法です。現在、資金繰りに困っている業者さんで、顧問税理士がいる場合は、つなぎ融資が可能かどうか確認してみると良いでしょう。
顧問税理士がいらっしゃらない場合は、当サイトの提携サイト(全国税理士紹介センター)で税理士のご紹介が可能です。
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