「労働者死傷病報告」と「労災かくし」

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「労働者死傷病報告」と「労災かくし」


建設業は業種からして、労災事故が発生しやすく、災害が発生すると死亡事故や重篤な災害に繋がることが少なくありません。

そういった場合、どのような手続きをしなければならないか、きちんと把握しておく必要があります。

建設業の労災は通常の労災保険と少々異なります。

建設業は元請がありその下に下請が入ることで何段階もの請負関係で成り立つため、下請の事業所で働く労働者は所属する会社の労災保険ではなく、元請の労災保険で保護されることになります。

建設業の労災保険や雇用保険の手続きは特殊なことから手続きも複雑になります。

事務所の労災保険の手続きと、現場の労災保険の手続きと面倒に思われるかもしれませんが、、万が一労災事故が発生した場合、加入していないと会社が全額補償しなければなりません。

また、工事の規模によっても手続きが異なるため、専門家に手続きを依頼するのも業務の妨げにならず済むでしょう。

【労働者死傷病報告】

労働者が、労働災害又は就業中に負傷・窒息・急性中毒により、死亡又は休業した時は、所轄の労働基準監督署長に提出しなければなりません。

労災になるかどうか判断ができない場合もありますが、業務災害に該当しない場合であっても報告が必要になるものもあります。

次の場合は報告が必要です。

  • 勤務終了後、現場内で死亡しているところを発見された
  • 外勤中に脳・心臓疾患や熱中症で倒れて入院した
  • 外勤中に自殺した
  • 寄宿舎内での事故
  • 自家用車に事業主の暗黙の指示によりほかの労働者を同乗させているときの災害
  • 自家用車に仕事で使う資材や機材を積んで走行しているときの災害

労働者死傷病報告は労働災害の際に提出しなければならないというわけではなく、事故の報告を受けて調査するかどうか判断する契機としての意味があります。

提出の義務があるのはその労働者を雇用している企業です。個人事業の場合は事業主で、下請の場合は元請業者に提出義務があります。

【労災かくし】

労働者死傷病報告を提出しなければならない状況で提出をしない場合、虚偽の内容を記載して提出した場合のことをいいます。

労働安全衛生規則では

「事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内若しくはその付属建設物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業した時は遅滞なく様式第23号による報告書を所轄の労働基準監督署長に提出しなければならない」

と規定しています。

労災かくしは犯罪であり、発覚した場合は労働安全衛生法違反で検察庁に送致され罰金刑に処せられます。

罰金は、両罰規定の適用により労災をかくした個人と法人に対して課せられます。罰金を払うだけと思われるかもしれませんが、刑罰なので前科が付きます。

また、労働基準監督署が記者発表を行うため、会社名が報道されることでインターネット上でも履歴が残ることになりますし、許可業者は指名停止処分や営業停止処分も受けることになるでしょう。

隠し通すことを考えるより事故が起きたら速やかに報告することにしましょう。


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