数年前から建設作業員の社会保険への未加入が問題になっています。
国により段階的に対策が進められており、平成29年4月からは「社会保険未加入の作業員は現場入場を認めるべきではない」という事が「社会保険加入に関する下請指導ガイドライン」に明記されています。
「適切な保険に加入していない作業員は現場に入れない」
つまり、仕事ができないという事です。
これは個人で仕事を請け負っている一人親方には死活問題です。
社会保険と聞くとどうしても会社で入る保険をイメージしがちですが、一人親方も例外ではありません。
ではなぜ、社会保険への未加入が問題になっているのでしょうか。
それは日本の保険制度にあります。
日本では全ての国民が何らかの公的保険に加入することで、保険証があれば全国どこの医療機関にもかかれる「国民皆保険制度」がとられています。
つまり保険に入ることは任意ではなく「義務」なのです。
国により段階的に未加入対策が進められてもなお、建設業界では社会保険への未加入率が他の業界と比べて突出しています。
とび職や左官工など、建設業は会社に所属しない一人親方が多くいます。その多くが保険に加入していないのが現状でした。
そこでとうとう保険未加入者は作業現場には入れないとした規制がとられたのです。
保険には様々な種類があるため、いったいどの保険に加入すべきか分からず、そのまま未加入の状態が続いていることもあるでしょう。
「社会保険加入に関する下請指導ガイドライン」では就労形態などに応じて加入すべき「適切な保険」が一覧表になっています。
( 出典:http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk2_000080.html )
社会保険は、「医療保険」と「年金保険」のセットで加入する必要があり、どちらか一方だけ加入することはできません。
一覧表を見て分かるように一人親方は、医療保険は「国民健康保険」、年金保険は「国民年金」への加入が義務付けられています。
加入義務のある保険への加入を求められるのであって、加入義務のない保険に加入しなければならないわけではありません。例えば、一人親方なのに「雇用保険」へ入れと言われているわけではないのです。
一人親方は、国民健康保険ではなく「建設国保(全国建設工事業国民健康保険組合)」に加入することができます。
建設国保は、建設業に従事する一人親方とその家族を加入対象とした国民健康保険です。国民健康保険でも建設国保でもどちらの保険に加入しても問題ありません。
また、建設現場での災害補償責任は「元請」が負うことになっていますが、一人親方は建設現場において同じ作業を行っていても元請の「労災保険」を受けることができません。
しかし、現場入場の際に一人親方でも「労災保険」に加入することを元請けから求められることが少なくありません。
原則は従業員しか加入することができない労災保険ですが、一人親方は労働保険事務組合という団体を通して、特別に労災保険に加入することができます。
これを労災保険の特別加入制度といいます。
労災保険に特別加入すると一般の労働者と同様に労働を起因とする病気やケガに対して補償を受けることができます。
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