国土交通省は社会保険に関する下請・元請の指導ガイドラインを改定し、法定福利費を内訳明示した見積書の提出を従来の元請と1次下請間に追加して、1次と2次下請間でも内訳明示の見積書を作成することを条件としました。
建設産業の公平で健全な就労環境の改善を目指し、必要な人材を確保するための対策に取り組んでいます。
法定福利費を内訳明示した見積書とは標準見積書と呼ばれ、下請企業が直近の注文者に対して提出している総額による見積書ではなく、その中に含まれる法定福利費を内訳として明示したもので、社会保険等の加入に必要な経費を確保できるようにしていくための見積書となります。
国土交通省は法定福利費の内訳明示の見積書を徹底するために立ち入り検査を実施しており、内訳明示の見積書活用の働きかけや指導を行い、2次以下の下請業者を対象に内訳明示の見積書の作成方法についても全国で研修会を開いています。
法定福利費は年間の賃金総額に各保険の保険料率を乗じて計算しますが、各工事の見積もりで年間の賃金を把握するのは不可能であるため、見積額の労務費を賃金とみなしてその各保険に保険料率を乗じて算出します。
その他にも自社の施工実績データ等を用いて工事費に含まれる法定福利費の平均割合などをあらかじめ算出し、個別工事ごとの法定福利費を算出する方法もあります。
介護保険の対象者は40歳~64歳までの方のみとなっています。
介護保険の対象となる40歳以上の作業員を把握するのは困難なため、協会けんぽの対象者の割合を勘案して設定する方法があります。
厚生年金保険と自動手当拠出金の料率は日本年金機構のホームページ等で保険料額を参照することができます。
事業の種類ごとに事業主負担と労働者負担分が定められているので、厚生労働省のホームページより「建設の事業」の保険料から参照することができます。
社員が5人未満の個人事業所等の適用除外となる現場作業員の法定福利費については、内訳明示する法定福利費から除く必要があります。
見積もり段階では対象者として明示した後、元請企業との協議で最終的な金額を決定します。
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